2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧
新居昭乃ら第2次の「幻想浮遊系」ポップの成立の背景にあるのは、『エヴァ』以降の深夜放送枠アニメの激増である。かつてはOVAやゲームなどのパッケージ作品内に限られていた歌声が、マニアックに多様化した深夜アニメのテーマ曲(新居の場合はとりわけエン…
強固なイメージ喚起力をもつ声質や楽曲で「幻想浮遊系」という傾向性をJ-POPシーンの片隅に打ち立てたコア歌手たちは、しかし90年代が下るにつれてその音楽世界を「現実」化させていった。 90年代の後半といえば、『新世紀エヴァンゲリオン』がさまざまな要…
「93年体制」というのは、やはり佐藤賢二が指摘した、ポストバブルの消費低迷で内に籠もって「癒し」を求めたりする辛気くさい風潮傾向のこと。先の見えない不景気に95年に立て続けに起きた阪神大震災とオウム真理教のテロが拍車をかけ、人々の世紀末的な閉…
そうして到来した擬似社会派的な時代の雰囲気のことを、佐藤賢二は「89年体制」と呼んだ。それはまず冷戦体制に守られた欺瞞的な平和の元で未曾有の豊かさを、他を一切顧慮することなく享受することのできた80年代へのリバウンドとしての後ろめたさであり、…
1986年というタイミングは、70年代後半から顕著に始まった高度消費社会化・情報化の波がひと巡りし、少なくともある程度以上都市化された情報環境に暮らす人々のライフスタイルや価値観の順応がさしあたり完了していたおり。ユーミン、YMO、BOOWYといったリ…
「幻想浮遊系」というカテゴリーを日本のポピュラー・ミュージック史に仮構する場合、名実ともにその元祖といえる存在が谷山浩子である。政治の季節が終わり、オイルショックを経た安定成長下で高度消費社会が到来しつつあった1975年というデビュー時期は、…
23日のマコロン3(http://www.sengoku-kubo.com/cgi-bin/calendar/schedule.cgi?form=2&year=2006&mon=12&day=23)参考用に、『PLANETS 01』に寄稿した「幻想浮遊系」についてのテキストを再掲しときます。誌面掲載できなかった全長版です。「幻想浮遊系」…
22日の忘年会を含めて、千石空房(http://www.sengoku-kubo.com/)のクリスマスはイベント3連チャン! うひ〜、仕事なんかしてる暇ないなあ〜(笑)◆macoron3(マコロン3) 〜静かな鐘の音茶房〜 街中 輝く夜に包まれて さざめき始める、その前に。 懐か…