暁のかたる・しす

文筆家/編集者・中川大地のはてなダイアリー移行ブログです。

もうひとりの「森」ガール、夏みカンナ表紙のFinal Critical Ride

なんか一昨日は、1ヶ月も前にエントリした森ガールと幻想浮遊系の記事に急にブクマやトラバを沢山いただいてしまってビックリでした。滅多に更新しないこんな過疎ブログが何故!?ってのすら、慣れないものだからわかりゃしないし。
さすが森ガールパワーってところでしょうか?

さてさて、両本家(http://d.hatena.ne.jp/hazuma/20090805http://blog.goo.ne.jp/wakusei2nd/e/355cff0c1361862b12f89f5afb9db17b)にて既にアップ済みなので(おまけに両者なんかやくたいもないプロレスサービスまでしておりますが…)もう従前のお客さま方には先刻ご承知済みでございましょうが、それならばと調子に乗ってさらなる越境を試みるべく(?)、夏コミ新刊の告知です。
毎度毎度こちとらも「宇野常寛力の下部構造」を担わせていただいております(笑)第二次惑星開発委員会と、東浩紀さんの波状言論がついに本格タッグを組んで、評論界大盛り上がり中のw「平成仮面ライダー」シリーズの聖地巡礼対談を中心とした下記ミニコミを発売しますよ…!
なにせ表紙は、「夏みかん」こと森カンナさん。そう、何気にここにも「森」ガール発見! てわけで強引に、すべてを破壊し、すべてを繋いじまいます!!

波状言論+PLANETS 2009 SUMMER SPECIAL

Final Critical Ride [ファイナル・クリティカル・ライド]

責任編集/東浩紀+宇野常寛


コミックマーケット
2009年8月16日(日曜日)
東地区 "M" ブロック 23b 波状言論
東地区 "M" ブロック 22b 第二次惑星開発委員会


【インタビュー】森カンナ

【対談】東浩紀×宇野常寛 
聖地巡礼――平成仮面ライダーの軌跡
随行記 by 前田塁

【夏のスペシャクロスレビュー】 
1Q84/ヱヴァンゲリオン新劇場版・破/サマーウォーズ
前田塁荻上チキ+東浩紀宇野常寛

【対談】濱野智史×藤村龍至 
設計/デザインを考える

【インタビュー】宮台真司 
「日本」の難点、「思想」の難点

【論考】浅子佳英 
オペレーティングシステム的リアリズム ――『仮面ライダーディケイド』をめぐって 

【巻末対談】東浩紀×宇野常寛
批評とサブカルチャーの十年紀(ディケイド)

【付録CD】  
決断主義トークラジオAlive3
鈴木謙介+荻上チキ+濱野智史+東浩紀+宇野常寛

発行人:東浩紀宇野常寛
編集人:東浩紀宇野常寛
印刷:大日本印刷株式会社
企画・編集:波状言論+第二次惑星開発委員会
本誌デザイン:河口まどか/坂巻治子/まつおか
CDレーベルデザイン:梅沢和木黒瀬陽平
取材協力:中野慧
A5版:64頁/1,000円

不肖中川としては、東×宇野のメインコンテンツ「【対談】聖地巡礼――平成仮面ライダーの軌跡」の構成・ライディングと、『サイゾー』7月号の仕事としてやった宮台真司さんの『日本の難点』インタビューの全長完全版を提供させていただいています。

目次にない情報を補足すると、「ライダーの軌跡」の方は2部構成になっていて、Part1が聖地巡礼編である「平成ライダー ストレンジドライブ――全壊と全繋のロケーショナルロマン」。主に埼玉県各地にある「ライダー」ロケ地巡りに同行し、超ハイテンションな東さんと宇野くんの写真紀行をまとめさせてもらいました。
僕自身は「平成ライダー」シリーズは『ディケイド』の途中までしか観ていないので、終始テンション上がりっぱなしの30代批評家二人を一歩離れて微笑ましく見守ることしかできなかったものの(^_^;)、個人的には『PLANETS』本誌の巻頭連載「東京ストレンジウォーク」の番外編みたいなつもりで、それぞれの聖地が聖地たるゆえんに思いを馳せての体感をさりげなく込めてみた感じです。
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本誌の「ストレンジウォーク」の方が、主に隅田川にゆかりある土地巡りだったのに対し、今回はその隅田川が分かたれる分水嶺の岩淵水門から本流の荒川の流路を遡って北上するという旅路だったので、荒川放水路隅田川に東西を挟まれたコスモロジーの中で生まれ育ってきた墨田区民としては、別な意味でも「聖地巡礼」になっていて感慨でした。以前、連載第2回で、川には島宇宙島宇宙を隔てながらも意志さえあれば容易に渡っていける通路としてのコードを付与したりもしてたので、ああ、奇しくもまたテーマ的に通底してしまったな、って。


しかしそんな能書きはともかく、「ライダー」ロケハンチームの眼力にうならされる各地の素晴らしさに癒されまくりの1日でした。まさに森ガール垂涎のこんな風景にも出会えたりとかね。


で、Part2は対談編である「『平成ライダー』から考える」。ロケ地間を移動中の車内での5〜6時間にもおよぶ、素人介入不能の硬軟メタベタ入り混じったw濃密ライダートークの中から、ほぼ全部の批評的話題をいっそう濃縮還元しました。
ともあれ、この収録日には、アーキテクチャへの依存をかなぐり捨て身体感覚の部分で鋭い「人間」の力を発揮してくれた東さんや、社会の流動性に流されて固有性をなくしてしまった某スポットでの宇野くんのセンシティブな反応など、その言説からはとても意外に思えるであろう二人の姿に出会うことができて、いろいろな意味で収穫でした(^_^)。うっすらとですがそのへんは誌面にも反映させたつもりなので、ぜひ感じ取ってみてくださいませ。
僕らを乗せたライダーワゴンが辿り着いた、奇妙な旅の結末とは!?

あと、宮台さんインタビューの方は、あくまでベストセラー特集の枠内で一般層向けにまとめた「サイゾー」記事(http://www.cyzo.com/2009/06/post_2247.html)の方では大幅にカットせざるをえなかった、宮台読者的に濃い文脈に乗った部分や思想系のコアな話題など、埋もれさせるのが惜しかった部分がすべて復活、4倍くらいの分量でばっちり読めます! 「第三期」とも言われる宮台氏の最新のスタンスがくっきりと出た記録になっていると思いますので、こちらもご期待を。
はたして「ディケイド」的なミヤダイの戦略性とは、何物をも信じないがゆえのものなのか、それとも……!?

いずれ後世から振り返ると、「この日を境に、ニッポンの評論界は変わった」となる可能性もガチであるかもしれない、ゼロ年代最後の夏の記念碑を、君のてのひらにも是非!!