暁のかたる・しす

文筆家/編集者・中川大地のはてなダイアリー移行ブログです。

Musical Babanton

 えっと6/18付けでblogでしののめさん、mixiでぴょん太さんからMusical Batonなるミームをたまわり、「ああ、反対方向から同位相の波が来たら打ち消し合うのが筋だよな」とか小理屈こねてついハスに構えてしまう厨房マインドと、ハヤリモノに乗りたいミーハー心と、この状況をどうズラして受けとめつつイヤミに感じさせない反応がなしうるかという、批評的な助平心がせめぎ合っていたところ、6/23には切通理作さんの「読んだ人全員バトン渡し日記」を読んでしまうわ、6/24付けでStrixさんからもご指名あるわでしたんで、これはもう全部を真正面からありがたく頂戴することにいたしましたよ、ええ。人から振ってもらえる縁があるのは幸せなことなので。

 ということで、各項目×4本分、抜かせてもらうってことでよろしこね!

■Total volume of music files on my computer(コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)

 現代に過適応した林檎屋の手先マカーなので、最初の5GB iPodから3代かけて20GBに乗り換えて、いまんとこ19.43GBあります。基本、ビットレート最大限でのエンコーティングをしているのでそのわりには少な目で2258曲6.3日ぶんですって。
 僕の場合は、音楽鑑賞を「環境」化するというより、手持ちの引き出しの過不足を自己確認するための自分史データベースみたいな意味合いで、このへんの音楽聴取スタイルの変化を考えていたりします。>>切通さま

■Song playing right now (今聞いている曲)×4

 つうか皆さん、この項目書くために「今かけた」でしょ!? 僕はそうしますよ。
 というわけでiTunesシャッフルかけて、今プレイします、ハイ。何が来た!?

クレイジーケンバンド「太陽のモンテカルロ(Monte-Carlo du soleil)」(アルバム『グランツーリズモ』2002年)
 ……。うーん、2年ほど前に当時、氣志團と並んでサブカル音楽好きの双璧と呼ばれたクレイジーケンなるものをハヤリモンCheckすべく、TSUTAYAで借りて入れた曲ですね。で、通算再生回数4回目。やはりこのバンドは、わざとらしい諧謔スタイルが鼻について自分の琴線にはあまり触れませんでした。

 そうこうしているうちに2/4曲目。

ZABADAK「飛行夢(そら とぶ ゆめ)」(アルバム『飛行夢』1989年)
 僕の全音楽ファイルライブラリのまる1/3を占める「幻想浮遊系アーティスト」の、遊佐未森と並ぶ中核ZABADAKの3rdアルバムのタイトルナンバーですね。上野ボーカルのアコースティックな透明感をより打ち出すようになった路線の初期のころの3拍子曲。でもアルバム内では捨て曲だったな……。というわけで再生回数3回目。CD時代にさんざん聴き流していたから。

 3/4曲目。だめだ、書く速度が追いつかないので一時停止…。

鈴木祥子「すいか」(『Love, painful love』2000年)
 やはり「幻想浮遊系」の文脈で聴き始めながら、95年の『SNAPSHOTS』以降は「生身の女としての赤裸々な痛み」を歌うようになった点がものすごくシビれる希有なシンガーソングライター祥子さんの、いまのところ最新のオリジナルアルバムのナンバー。すげーわなあ、40過ぎで「すいかの赤いしたたり 白いシャツと濡れる唇」「この痛みは何を知るためにあるの その熱さは何を生むためにあるの」って歌っちゃうんだから…。決して好きとは言えないけれど、がんばって聴いて再生回数14回目に。

 最後。

遊佐未森「エデン」(『echo』1998年)
 Nightnoiseとのコラボによるケルティック傾倒がいちばん馴染んでた東芝EMI移籍第一弾だったアルバムのラストナンバー。再生回数13回目。やはり空耳時代に比べれば聞き込みが足りないけれど、フィドルの間奏が心地よいですね。

■The last CD I bought (最後に買ったCD)×4

 最後に買ったの結構前だなあ。これもiTunesへの追加日で遡れるからいいけど。

ASIAN KUNG-FU GENERATION『ソルファ』(2004年)
新居昭乃『エデン』(2004年)
氣志團『TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE』(2004年)
小沢健二『刹那』(2003年)

 あとこのとき同時に買っていたのがBUMP OF CHICKENユグドラシル』。要はいまどきギターポップを聴き比べようと思ったら新居ニューアルバムとオザケン懐かし音源盤が目に入ってつい、という感じだったようです…。
 ちなみにこのもうひとつ前が『塊フォルテッシモ魂』でStrixさんとばっちり被っていたんですけどね。

■Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)×4

 これは自分的カテゴリ別5曲×4でつごう20本って感じで。

幻想浮遊系アーティスト群>
ZABADAK「遠い音楽」(『遠い音楽』1990年)
 まあ、たいがい文句なしの代表曲だと思う。norenwake前、一度でいいからライブで聴きたかった。

久保田早紀「白夜」(『夢がたり』1979年)
 中学のときの課題で「異邦人」の詞世界をテーマに絵を描けという課題を美術で出されて、親父が昔ラジオで録音したテープを借りたときに入っていたアルバム曲。「異邦人」と違ってまったく歌謡曲くささのない洗練された透明感や物語性をひたすら美しいと思った。わかりやすいパターンとしては、遊佐やザバにはまる感性の前身は谷山浩子という場合が多いと思うけど、僕の場合はこっちだった。

鈴木祥子「風に折れない花」(『Harvest』1992年)
 高校受験のときに深夜ラジオで流れてた、その極端に理想的でイノセントな楽曲世界に一撃で撃沈、って感じだった。これがエンディングテーマに流れる大文字のスペクタクル感とリリカルな少女マンガ風の内面性をあわせもつ映像作品を観るか作るかしたい、っていう妄想をよくしたもんです。

新居昭乃「凍る砂」(『空の森』1997年)
 遊佐もザバも一番コアなころのファンタジー色から距離を置いている以上、今でも文句なしの「幻想浮遊系」といえるのはこの人くらいだろう。この曲はまだ今みたいな危うい退廃感が希薄で素直な幻想美がくせになる感じ。

遊佐未森古賀森男「Silent Bells」(1989年)
 高校漫研で2年先輩だった森川嘉一郎氏を監督に、この曲をモチーフに無人の銀座をアニメーターの少女が彷徨うという、学園祭上映のアニメを作りました。たしかそう、僕の遊佐未森歴はここから始まったんであった。

ワールドミュージック系統>
・ヤマ・サリ「ヤマ・サリ」(『燦然と神秘のガムラン』1996年)
 ガムラン曲の中では弾くのも聴くのもいちばん好き。洗練された宇宙的なパッセージにいつも陶酔。

グルジア民族合唱「オロヴェラ」(『サカルトベロ奇蹟のポリフォニー』など)
 今年の春祭で、ひたすら「精神性の高さ」を指導されながら、ほとんど裏声でドローンをやった。一瞬たりともゆるがせにできない音程キープの努力が実ると、本当に天上の音楽という感じになる。

グルジア民族合唱「ディアンベゴ」(『カヘチア奇蹟のポリフォニー』など)
 山城組のグルジア男声合唱曲の中で現在最も熟成された地の底から響くような曲。僕自身は邪魔にならないようついていくのが精一杯ながら。

芸能山城組「邂逅」(『翠星交響楽』1990年)
 一昨年のバリ島アートフェスティバルで演奏してきた超巨大な竹のアンサンブル、ジェゴグを中心とする山城組オリジナル。あの重厚な響きでかくも軽快感あるトランサブルな曲ができるというのは、たしかに奇跡的。

芸能山城組「未来」(『交響組曲AKIRA』1988年)
 ガムランジェゴグ+合唱+唱名etcetc……。スタジオミックスの粋を費やして作ったこの曲が、近年は限定的ながらライブで演奏できるようになりつつあるのは、相当にすごいことであります。

<モダンなるものをめぐる大正〜昭和歌謡&都市ポップ>
松井須磨子「ゴンドラの唄」
 命短し恋せよ乙女。遊佐未森の『檸檬』で好きになったクチですが。

山口淑子「夜来香」
 『てるてる家族』での最も豪華なミュージカル曲のひとつでしたね。DVD、どうにかして発売されないだろうか……。

美空ひばり「リンゴ追分」
 「みだれ髪」とさんざん悩んで、こちらに。2000年くらいに出たトリビュートアルバムがあまりにもショボかったため、逆にひばりの凄さに開眼したという経緯。

・はっぴぃえんど「抱きしめたい」(『風街ろまん』1971年)
 なまなかな渋谷系フォロワーが歌うとまるっきり内向きな叙情に陥りがちな『風街』楽曲の中で、最もざらついたカッコよさがある曲だと思う。

シュガーベイブ「DOWN TOWN」(『SONGS』1975年)
 ちょうど生まれた年に近いからか、シュガーの曲には、「自分が生まれる前にあったのであろう都市の華やかさへのありもしない郷愁」のような感覚を狂おしくかきたてられるところがある。うまく言語化できないけれど。そのへんはピチカートの「陽の当たる大通り」などにも弱冠通じるところあり。

<ゲーム関係ソング>
RIKKI「素敵だね」(『ファイナルファンタジーX』2001年)
 奄美といえば、僕はちとせではなくこっちです。

・セロニアスモンキーズKera-Ma-Go 」(『moon』1997年)
 「音楽との関係性が秀逸だったゲーム」カテゴリーでは外せない『moon』。エンディングクレジットの意味性も素晴らしかったな。

椛田早紀「Lonely Rolling Star」(『塊フォルテッシモ魂』2004年)
 濱田マリこそが歌うべきだったかもしれないという意見もある『塊魂』楽曲。でもそれだとスノッブさが鼻につく打ち出しになりすぎたかもしれない。

遠藤久美子「好きなら好きっ!」(『夢ロケッツ』1998年)
 エンクミ自身の作詞のこのデビュー曲が『キャプテン・ラヴ』の主題にばっちり合ったのは見事。

牧野アンナ「Love Song探して」(1987年)
 小学校のとき、これのカセットを昼休みの放送で流したよ……。「ドラゴンリクエスト作戦」って覚えてる人!?

■Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す5人)×4

 20名様ですね。こりゃ日記やblogがそれなりに動いててバトン回ってる形跡のない人片っ端からだな…。
 もちろん、無視とか拒否とかスルーとかは自由だというのがこのバトンのルールだそうなので、まあ「こんなの振られたよ」という話のタネくらいにしてくださいませ。

(以下、ほとんどmixiで回したのでblogもちの人のみ記載)
骸吉さん http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20050624
たかなべさん http://d.hatena.ne.jp/takanabe/
dotimpactさん http://d.hatena.ne.jp/dotimpact
成馬01さん http://blog.drecom.jp/narima01/
青木摩周さん http://www20.big.or.jp/~stj/index.html
エスギさん http://netafull.net/uesugi/