暁のかたる・しす

文筆家/編集者・中川大地のはてなダイアリー移行ブログです。

『架空世界の悪党図鑑』、本日発売!

qyl010212004-12-21

毎度おなじみ「線引き屋」の3人や映画サイト「INTRO」の百恵紳之助さん、樹想社刊の『仮面ライダー 悪の系譜』を編じた吉沢晃一さんやなかの★陽さん、小説家の高嶋規之さんらと「光クラブ」なる徒党を組んで今年下半期に執筆参加した、『架空世界の悪党図鑑』がいよいよ本日発売です。

中川は「ゲームのコトバ」の片割れとしてゲームの章の大半と、その他の章にも比較的メジャーでヌル目な(笑)作品の悪党を数本ずつ寄稿。今回の旗頭・奈落一騎らが固める骨太の「ワルい男の美学」にいまいち昏く、どうにも感性が女子供チックな道徳観から自由になれない(?)僕としては、本書の主旋律である「欲望に忠実な人間くさい悪」の軸をちょっとズレた変化球的なキャラのバラエティを増やす役割に徹したつもり。

文学→映画→まんが→アニメ→特撮→ゲームと、歴史の古いジャンルから新しい方へと順番にならぶ章立てになっているのだけれど、こんなふうにゲームを他と完全に並列の物語作品メディアととらえ、その文芸要素を抽出して分け隔てなく語ってみせた書籍は多分初めてだと思う。こうしてみると、もともと「表現」ですらなかったゲームという新興メディアそのものが、「人間」を描いてきたフィクション史の徒花として、結果的になかなかヒネった変化球になっていることが見えてきたりもして面白い。楽しい仕事でした。

ともかく、これは買いだぜよ!