2005-07-02から1日間の記事一覧
そして本特集を締めくくる、存命の戦争体験者からの唯一の証言。「昭和20年で戦争が終わらなかった」沖縄から、現在につらなる体験として、そのリアリティを子供向け特撮番組に込めつづけた語り部の誠意を、『帰ってきたウルトラマン』ほかの上原作品の場面…
本特集のクライマックス、河田拓也の積年の思いが込められた圧巻の笠原評伝。『仁義なき戦い 広島死闘編』で北大路欣也演ずる山中が、戦後のすべての虚妄を撃ち抜くかのようにピストルを構えるモノクログラビアは、全体的におとなしめな誌面レイアウトの中で…
戦争という経験はあまりにも苛烈で巨大すぎ、そこに関わったひとりずつの人間は、結局のところ自分自身の立場と体験に認識を閉ざされざるをえない。とりわけ敗戦という結果がもたらした不自由と屈折が、立場の異なる戦争体験者相互の歩み寄りをなおさら困難…
バトンはここで初めて直接の戦中派へ。とかく平和の下での想像力が戦争を極端に悲劇的か英雄的かの大仰な物語としてのみとらえがちなところ、そこには生身の人間なればこその卑小で滑稽でさえある日常性が紛れこむ非「物語」的なありさまをクールに描いた、…
福井・こうの登場の前提となる、代表的なビジュアル・エンタテインメントの来歴を通じて、戦後日本人の「戦争」イメージへのその影響や反映のありさまの変遷を辿る。取り扱い作品は『ゴジラ』『はだしのゲン』『総員玉砕せよ!』『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦…
特集扉を挟んでの上述第一記事。「戦争を知らない子供たち」といわれた世代のそのまた子供にあたるいまどきの30代以下の世代が、戦後60周年という節目にあって、あの戦争をいかに自らの生の実質に繋がる普遍の物語として受けとめうるか。やがて戦争の直接体…
『男たちの大和』で角川映画の本格復活をはかる春樹氏のダイナミック・レンジを余すことなく拾い上げた、奈落一騎渾身のヒロイック・ダイアローグ。本特集に入る前に、脳天直撃の祭囃子が、読み手の人間観をバックリと拡げてくれます。
告知のタイミングがすっかり遅ればせてしまいましたが、HDDの片隅に溜まった音楽消費物なんかよりもはるかに大事なバトンの受け渡しに携わった仕事が、先頃世に出るはこびとなりました。隔月刊『TONE』創刊2号(ユニバーサル・コンボ) 特集:エンタテイメ…